Canonical、エッジ、IoT、マルチクラウド向けに Kubernetesの信頼性を強化

by Canonical on 19 November 2019

Canonical(本社:英国・ロンドン、CEO:Mark Shuttleworth)は本日、ワークステーションおよびアプライアンス向けKubernetes であるMicroK8sの高可用性(HA)クラスタリング、およびマルチクラウドCharmed KubernetesへのエンタープライズSQLデータベースの統合を発表しました。

Canonicalの製品担当ディレクターであるStephan Fabelは次のように述べています。「エンタープライズおよびエッジ向けKubernetesの急拡大は、Kubernetesを実行する大量のエッジノードと、多数のクラウドKubernetesクラスターを抱える企業のIT部門にとって課題となっています。次世代のCanonical Kubernetesでは、Kubernetesクラスターの無秩序な拡大による運用上の影響に対応するために、不確定要素を削減し、さらにKubernetesデータストアとして標準的な企業向けSQLデータベースを採用しています。」

CanonicalのMicroK8sは、エッジデバイスやノートPCに適した非常に小さなフットプリントによって、IoT、アプライアンス、開発者用ワークステーション向けKubernetesとして人気が高まっています。MicroK8s 1.16ではクラスタリングが追加され、高度に標準化された小さなK8sクラスターを迅速に展開することが可能です。次のステップは、Canonicalの分散SQLエンジンDqliteを使い、これらのクラスターの高可用性を実現することです。Dqliteは、Kubernetes自体にデータベースを組み込むことによって処理のオーバーヘッドをなくすだけでなく、IoTで重要であるクラスターのメモリフットプリントも削減します。

RaftとSQLiteは、分散システムおよび組み込みシステムのベストプラクティスとして知られています。DqliteをKubernetesのデータストアとして使用することにより、回復力のあるK8sクラスターを簡単に展開できるようになります。これにより、通信事業や小売業におけるエッジアプリケーションは、Intel NUCやRaspberry Piボードのクラスターなどのx86またはARM汎用アプライアンス上で、非常に低コストで高い信頼性を実現できるようになります。

データストアにおけるSQLへの移行はCanonicalのマルチクラウドCharmed Kubernetesにも反映されており、Oracle、SQL Server、MySQL、Postgreなどの企業向けデータベースや、AWS Relational Database Service(RDS)のようなパブリッククラウド向けSQL製品を採用しています。管理者は、etcdではなく、これらの使い慣れたSQLデータベースをKubernetesクラスターデータに対して使用できます。

さらにFabelは次のように述べています。「Canonicalでは、etcdに慣れているお客様のためにetcdも継続します。しかしながら、標準的なエンタープライズデータベース環境の使用を可能にすることによって、多くのIT部門でK8sの運用がより容易になります。」

Canonicalについて

Canonicalは「Ubuntu」を提供する企業です。Ubuntuは、ほとんどのパブリッククラウドのワークロードに使われているOSであり、スマートゲートウェイ、自動運転車、高度なロボットなどの最先端分野でも使用されています。Canonicalは、Ubuntuの商用ユーザ向けにエンタープライズサポートとサービスを提供しています。Canonicalは2004年に設立された非公開企業です。

詳細は以下のウェブサイトからご覧いただけます。

https://jp.ubuntu.com/

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