Canonical、Kubernetes 1.18を発表

by cmoullec on 25 March 2020

Canonicalは本日、Kubernetes 1.18のエンタープライズ向けフルサポートを発表しました。サポート対象にはCharmed KubernetesMicroK8skubeadmが含まれます。アップストリームのKubernetesと平行してリリースされるため、企業は最新の追加機能を活用して日々の業務を強化することができます。

Canonicalの製品マネージャであるAlex Chalkiasは次のように述べています。「Canonicalが目指しているのは、企業がKubernetesクラスターをシームレスに展開、運用するためのツールを提供することです。Kubernetes向けの新しいリリースは、Kubeflow 1.0などの新しいアドオン、Multus、これから発表されるUbuntu 20.04 LTSリリースのサポートと共に、MicroK8sとCharmed Kubernetes両方の可能性を引き出します。当社はお客様やパートナーと協力し、比類のないKubernetes環境を提供できることを大変うれしく思います。」

軽量なシングルSnapパッケージのKubernetesであるMicroK8sは、Raspberry Piのクラスター化などエッジおよびIoTのユースケースに適しており、K8sベースのアプリケーションをテストするためのCI/CDパイプラインを作りたいと考えているDevOpsチームに理想的です。最新の安定版MicroK8sトラックをフォローしているユーザーは、自動的に1.18にアップグレードされます。最近発表されたKubeflow 1.0のリリースは、コマンド1つでMicroK8sで有効化し、エッジにおけるAI/MLの機能を活用できます。 

CanonicalのマルチクラウドKubernetesであるCharmed Kubernetesは、クラウド向けに最も幅広く提供されており、20.04 LTSリリースのプレビュー版リリースサポートの恩恵を受けられます。CNI(Container Network Interface)であり、Kubernetesポッド上に複数の仮想ネットワークインターフェイスを作成できるMultusが、新たにサポート対象ツールの一覧に加わりました。ファイルシステムストレージ用のCSI(Container Storage Interface)アドオンを希望するユーザーは、CephFSサポートを活用できます。自社のセキュリティとコンプライアンスの強化を求める企業向けにはCISベンチマーク1.5もサポートされています。

新機能

MicroK8s

  • etcdが3.4にアップグレード(ARM64向けのみ)
  • CoreDNSアドオンがv1.6.6にアップグレード
  • 「microk8s.helm3」により新しいhelm3アドオンが利用可能
  • Jujuが2.7.3にアップグレード、Snapでパッケージ化
  • configmaps作成用のIngress RBACルール
  • 証明書は有効期間365日に設定
  • 「microk8s.reset」によりアドオンを無効化
  • krewなどのプラグインを「microk8s.kubectl」で使用
  • REST APIによるアドオン有効化の修正
  • ZFSマシンではネイティブのsnapshotterを使用
  • 「microk8s.status」出力の改良
  • RBACの有効時にhostPathがイベントを表示
  • 新しいSnapインターフェイスを追加、他のSnapがMicroK8sの存在を検出

Charmed Kubernetes

  • Ubuntu 20.04 LTSサポートのプレビュー版リリース
  • CIS benchmark 1.5のサポートの追加
  • CephFSのサポート
  • Multus CNI(ポッドで複数の仮想ネットワークインターフェイスを可能にするプラグイン)の追加
ニュースレターのサインアップ

Ubuntuニュースレターの配信登録

お客様が購読登録を行われる場合、以下の条件に同意されたことになります。Canonicalのプライバシーに関するお知らせ個人情報保護ポリシー

関連記事

Canonical Kubernetes 1.29の一般提供を開始

重要な新機能とバグ修正を含むKubernetesの新しいアップストリーム「1.29」の一般提供が始まりました。Canonicalはアップストリームの開発に合わせて機能を強化し、セキュリティやサポートを加えたリリースを随時発表しています。したがって本日のMicroK8s 1.29に加え、Charmed Kubernetes 1.29の一般提供もまもなく開始します。 Canonical Kubernetes 1.29の新機能 Canonical Kubernetesディストリビューション、MicroK8s、Charmed Kubernetesは、アップストリームのKubernetes 1.29のすべての機能を持ちます。複数の新機能も追加されました。変更と機能強化の一覧は、Mi […]

小規模プライベートクラウドインフラストラクチャのためのOpenStackとSunbeam

小規模のプライベートクラウドインフラストラクチャを導入する際、多くの組織が深刻な問題に直面します。知識不足や移行のほか、Kubernetesなどのさまざまな拡張機能をすぐ実行するよう経営陣に求められるため、導入プロセスが複雑に感じられることも少なくありません。この複雑性を克服する最も簡単な方法は、プロのサービスにプロジェクトを任せることですが、そのコストが中小企業には高すぎる場合があります。 幸い、現在はすべての課題に自力で対処する方法があります。この短いブログでは、Sunbeamプロジェクトを使用し、経験やコストのかかるコンサルティングなしに小規模プライベートクラウドをスムーズに導入する方法を紹介します。 はじめに はじめに、このブログ記事で使用するいくつかの用語を簡単 […]

PostgreSQLをAIに活用

AIを扱うことはデータを扱うこと。数値データから動画や画像まで、業界や用途を問わず、AIプロジェクトは何らかの形でデータに依存します。問題は、そのデータをどうやって効率的に保管し、モデルを構築する際に使用するかです。解決策の1つは、実績があり、愛好者の多いデータベースであるPostgreSQLです。近年の開発により、AIをサポートする有力な選択肢になっています。 PostgreSQLを選ぶべき理由 PostgreSQLはオープンソースで高機能のデータベースシステムです。外部キー、サブクエリ、トリガーのほか、さまざまなユーザー定義型や関数をサポートしています。近年はデータベース分野で人気を高め、2023年には年間最優秀データベース管理システム(DBMS)に選出されました。 […]


© 2024 Canonical Ltd. Ubuntu および Canonical は、Canonical Ltd の登録商標です。