Canonical
10 April 2026
かつて私は、どれだけデータを保存する必要があるかわからないプロジェクトを始める際、パブリッククラウドストレージが便利だと書きました。しかしデータセットが増えるにつれ、パブリッククラウドストレージのコストは膨大になります。このような場合、オンプレミスまたはコロケーションの自社運用ストレージシステムを運用すれば、コスト、性能、セキュリティ、データ主権など多くの面でメリットがあります。この記事では、企業におけるストレージの利用方法をいくつか紹介し、どの程度のコスト削減が見込めるかを解説します。

ストレージワークロードの増加
AWS S3、Azure Blob、GCP GCSといったクラウドコンピューティングサービスでは、演算処理、ストレージ、ネットワーキングのリソースを即座に利用でき、現在から将来までニーズに応じて利用量を調節できます。これは、新製品の発売や現実のスポーツイベントの後など、利用の急増に対応する際に重要です。利用の多い時期が過ぎれば、リソースのレベルも元に戻すことができます。しかし、ストレージの利用は少し異なります。ワークロードのピーク時にアクセス頻度(IO)が変動することはあっても、大半のデータセットは基本的に増加するだけです。
たとえばアーカイブやメディアリポジトリのようなデータセットは、通常、最も多くストレージを消費しますが、増加率が把握しやすく、保存するデータがほどほどに重要なため、減少する可能性はほとんどありません。
このようなデータセットはアクセス頻度が非常に低いこともありますが、それでも常にアクセス可能にしておく必要があります。パブリッククラウドにはさまざまなストレージサービスがあり、性能を下げたり取得時間を長くしたりしてGBあたりのコストを抑えることも可能です。それでも状況によっては自社運用のソリューションのほうがコスト効果に優れる場合があります。
別の選択肢
増加率が予測でき、パブリッククラウドストレージの急激な拡張を必要としないデータセットの場合、コスト効果が高いのは、オンプレミスまたはコロケーションのストレージシステムです。重要なのは場所です。ストレージはユーザーの大半の近い場所になければなりません。オフィス内でも、演算処理サービスを利用しているパブリッククラウド近くのコロケーション施設でも良いでしょう。
自社でストレージシステムを構築すれば(必要に応じてCanonicalのサポートを受けながら)、ストレージシステムに使用するハードウェアや、拡張の時期や方法を自社で決定でき、重要なビジネス資産であるデータの管理も強化できます。
CanonicalのS3コスト計算ツールでは、さまざまな容量で、フルマネージドと自社運用の両方の場合について、あるいはプロジェクトの期間に応じて、総所有コスト(TCO)の目安を把握できます。公平性を期すため、自社運用についてもパブリッククラウドについても定価を使用していますが、組織がベンダーと価格を交渉することも珍しくありません。
一般に、利用期間が長いほど自己運用型のソリューションのほうが総所有コストが割安になります。また、データセットが大きい場合には、短期プロジェクトでもしばしば大きなメリット(投資回収が速いなど)が得られます。具体的にはTCO計算機能でご確認ください。
クラウドストレージコストの計算と比較

したがって、自社運用のストレージソリューションは、パブリッククラウドを補い、ストレージコストを抑える有効なソリューションとなります。しかもソリューションとデータを完全に自社で制御できるため、セキュリティと主権の強化にもなります。
自社運用のストレージソリューションの設計と導入に関しての注意事項やベストプラクティスは、Canonicalのホワイトペーパーをご覧ください。さまざまな選択肢の経済性を詳細に分析し、実用的な2.5PBのデータセットを例に、ハードウェア選定やネットワーキング(プライベートインターコネクトを使用)について解説します。
ホワイトペーパーの内容は、実践型のウェビナーでもご確認いただけます。ウェビナーでは、コスト効果の高い自社運用ストレージソリューションを構築する手順を講師が丁寧に説明します。
ご不明な点、またはカスタムストレージソリューションのコスト最適化については、Canonicalのチームまでお気軽にご相談ください。