AdvantechとCanonical、エッジコンピューティングアプリケーション向けUbuntuプリロード済み組み込みソリューションで提携
by Canonical on 28 April 2022

2022年3月2日 – 組み込みIoTソリューションの大手プロバイダであるAdvantechは、Ubuntuをプリロードして認定済みの組み込みボードおよびシステムを多様なエッジコンピューティングアプリケーションに提供するため、Canonicalと提携しました。UbuntuのパブリッシャーであるCanonicalは、Advantechの製品を認定することで、AIロボティクス、工業用製造、ミッションクリティカルなアプリケーションの各分野のユーザーに対して、Linuxのセキュリティと更新が最長10年まで行えることを保証します。
すぐに展開できるUbuntu認定済みAIoTデバイスで製品化期間を短縮
AdvantechとCanonicalは協力し、Ubuntu認定済みで、購入してすぐに現場で運用可能なIoTデバイスの提供を開始しました。ユーザーにハードウェアでOSを構成またはインストールする時間はかかりません。Canonicalは、システムで実行されるUbuntuに対して、産業グレードの標準を満たすテストを実行します。これらのテストにより、個別のハードウェアI/Oが正常に動作することも保証されます。テストが完了すると、Advantechは包括的なテストレポートを発行します。これにより、ハードウェアとOSの検証作業が10日から、1日にまで短縮されます。さらに、プリインストール済みのサービスにより、リードタイムがデバイスあたり30分以上も削減されます。
CanonicalとAdvantechの両方が支える信頼性の高いセキュリティ更新
セキュリティ侵害を阻止し、システムの機能を維持するため、AIoT開発者はデバイスのソフトウェアを更新し、最新の状態に維持する必要があります。この目的のため、CanonicalとAdvantechはUbuntu Coreを認定しました。これはUbuntuのトランザクション式バージョンで、セキュアブート、フルディスク暗号化、セキュアなデバイス回復、およびクラウドベースのCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)サービスによるOver-the-Airのトランザクション式ソフトウェア更新を行うIoTデバイスや組み込みシステム用に設計されており、アップグレードのリスクを低減し、オンサイトでの修理の必要性を減らすことができます。Canonicalは、Ubuntuリリースのライフサイクル全体を通して、認定ハードウェアの退行テストを継続的に行っています。これにより、最長10年にわたってセキュリティ更新をサポートし、下位互換性も保証することになります。同様にAdvantechも、Canonicalの後援により、IoTデバイスとUbuntu OSについて販売後のサービスを一手に引き受けます。
AIoTソフトウェアとUbuntuのSnapcraft Storeによりデザインインの運用フローを簡素化
プログラミングに使用できるリソースは有限で、OSの開発や保守作業よりも、アプリケーションの構築に使用する方が有益です。AdvantechとCanonicalはこの点に留意し、開発者のワークフローを簡素化しました。たとえば、当社のDesignInサービスにより、お客様はハードウェアとソフトウェアのスタックを迅速に定義できます。同様に、Advantechは認定済みUbuntuイメージ、SUSI API、WISE-DeviceOnをプリロードしたIoTデバイスを提供することで、多数のデバイスの同時管理を容易にします。これらの機能、およびUbuntuのSnapcraft Storeに公開されている200を超えるIoT管理アプリにより、AIoT管理ソフトウェアは購入してすぐに快適に使用できます。
Canonicalについて
Canonicalは「Ubuntu」を提供する企業です。Ubuntuは、ほとんどのパブリッククラウドのワークロードに使われているOSであり、スマートゲートウェイ、自動運転車、高度なロボットなどの最先端分野でも使用されています。Canonicalは、Ubuntuの商用ユーザー向けにエンタープライズセキュリティ、サポート、およびサービスを提供しています。Canonicalは2004年に設立された非公開企業です。
Advantechについて
Advantechは1983年に設立された、信頼される革新的な製品、サービス、ソリューションの大手プロバイダです。Advantechは包括的なシステム統合、ハードウェア、ソフトウェア、お客様中心の設計サービス、組み込みシステム、自動化製品、グローバルな物流サポートを行っています。当社はパートナーと密接に協力して、さまざまな業界にわたる広範なアプリケーション用に、完全なソリューションを提供しています。当社の使命は、自動化された組み込みコンピューティング製品およびソリューションを開発し、よりスマートな労働と生活を促進して、インテリジェントな地球を実現することです。Advantechの製品により、アプリケーションのイノベーションの無限の可能性が拓けます。( コーポレートサイト:www.advantech.com)
ニュースレターのサインアップ
関連記事
リアルタイムOSはあなたのビジネスに適していますか?
自動化は社会のほぼすべての分野に広がり、自動車や通信から工業生産まで、さまざまな業界でリアルタイムに対応したオペレーティングシステム(OS)が重要になってきています。リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)は、正確で確定的な応答を保証し、安全性とパフォーマンスに不可欠な厳しいタイミング要件を満たします。しかし、ZephyrやFreeRTOSのような従来のRTOSはビジネスにとって正しい選択肢なのでしょうか? それとも、リアルタイム機能を備えたLinuxソリューションの方がもっとニーズに合っているのでしょうか? Canonicalの最新のホワイトペーパーではこれらの疑問について解説します。このブログではその要点を説明しましょう。 システムを「リアルタイム」にするもの […]
IoTデバイス管理とは
IoTデバイス管理とは、IoTデバイスのデプロイ、モニター、メンテナンスに使用するプロセスや手順を意味します。企業がIoTの運用規模を拡大するとともに、しっかりしたデバイス管理アプローチでデバイス群を安全かつ効率的に運用することが必須となります。 世界中でコネクテッドデバイスが普及し(予測では2024年には188億台にのぼる)、IoTデバイス管理が複雑化しています。そして悪意ある者もそこに目をつけています。2023年には、平均して組織あたり1週間に60件ものIoT攻撃がありました。これはデバイス自体、そしてデバイスと他のデバイスや管理システムとの接続が、大きな攻撃対象領域を作るためです。 このブログ記事では、可視性、相互運用性、セキュリティという3つの目的に重点を置き、I […]
Canonical、Azure IoT運用を革新
Canonical、Microsoft Azure IoT Operationsに最適なプラットフォームを提供 CanonicalはMicrosoftの早期導入パートナーとして、Ubuntu CoreとKubernetes上でMicrosoft Azure IoT Operationsのテストを行ってきました。この協力が実を結び、本日Microsoftは、ノードデータのキャプチャ、エッジベースのテレメトリ処理、クラウドイングレスを大幅に改良した統合データプレーン、Azure IoT Operationsをリリースしました。Azure IoT OperationsはAzureのアダプティブクラウドに必須の要素であり、ハイブリッド、マルチクラウド、エッジ、IoTの環境を統合し […]