小売業界のAI/ML:ショッピングに生じた変化とは

by Canonical on 9 January 2023

AI/MLは小売を含め、多くの業界の現実を塗り替えています。実店舗でもオンラインショップでも、小売企業は、競争力を高め、顧客を深く理解し、いくつかの長年の問題を解決すべく、AI(人工知能)への投資を強化しています。

他の業界と異なる点は、小売業者がデータ重視型のビジネスに急速に移行し、データストリームをスピード、効率化、事業上の意思決定に活用し始めたことです。小売業者は、さまざまな形式で収集した大量の生データを、短時間で抽出、読み込み、変形し、実用的な情報を引き出します。どんなメリットがあって急速に普及しているのでしょうか? 以下に、業界の主な変化とAI/MLの活用方法をご紹介します。

小売におけるAI/MLのメリット

AI/MLには小売業界の情勢を変えるだけの力があります。主な利点は以下のとおりです。

  • 体験への移行:従来の小売業者は単に売ることに力を注いでいましたが、最近は顧客1人ひとりに合った楽しい体験で競争力の向上を図っています。
  • 予測を改善する必要性:顧客の行動や傾向を把握すれば、顧客ニーズへの細やかな対応、魅力的な価格設定、製品プレースメントの最適化が可能となります。
  • 在庫管理の自動化:顧客側からはあまり変化が見えませんが、AI/MLは迅速な在庫管理を可能にすることで小売業者の大きな問題を解決します。

小売業界のAIに活用されるテクノロジー

小売業者は、QlikTableauなどのビジネスインテリジェンスソリューションをいち早く導入しました。他の業界が検討すらしていない時期に、小売業者はETLプロセスに注目し、社内のさまざまなチームがデータを視覚化できるようにしました。しかし、データソースが多様化し、画像、動画、テキストを含むようになると、複数のタイプで大量のデータを扱う必要が生じ、BIソリューションでは対処が難しくなります。

さまざまなタイプのデータを活用したモデリングには、AI/MLソリューションが便利ですが、テクノロジーの選択はまだ各社に任されています。Charmed Kubeflowなど、オープンソースのMLOpsソリューションでは、小売業者が1つのツールでエンドツーエンドのモデルライフサイクルを得られます。

サンプル事例:マーケットバスケット分析

マーケットバスケット分析とは、よく購入される商品間のアソシエーション(関連性)を大手小売業者が発見するための手法です。小売業者は、顧客の習慣を示すアソシエーションルールを使用し、顧客が何を買うかを特定できます。この分析は、有効な市場戦略を策定するほか、顧客が喜ぶものを詳細に理解する上で役立ちます。

Charmed Kubeflowの詳細情報

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