CanonicalのUbuntu Coreとsnapsが、 Bosch Rexrothのアプリベース・プラットフォーム「ctrlX AUTOMATION」で採用
by Canonical on 19 February 2020
Canonical は本日、Bosch Rexrothが同社のアプリベースのプラットフォームであるctrlX AUTOMATIONにUbuntu Coreを採用したことを発表しました。ctrlX AUTOMATIONは、組み込みデバイス向けに設計されたUbuntu Coreと、ユニバーサルなLinuxアプリケーションコンテナであるsnapsを活用しています。これによりオープンソースプラットフォームを提供し、機械の制御、IT(情報技術)、OT(運用技術)の間の障壁を取り除くことができます。Ubuntu Coreとsnapsを用いてctrlX AUTOMATION上に構築される工業生産向けソリューションは、オープンなエコシステム、製造までの時間の短縮、デバイスのライフサイクル全体を通したセキュリティの強化というメリットを得られます。
オープンアーキテクチャを使用にすることでソフトウェアがハードウェアから切り離されるため、ctrlX AUTOMATIONを採用する産業用機械メーカーは、PLC技術者やプロプライエタリシステムの制約から解放されます。ctrlX AUTOMATIONプラットフォームがUbuntu Coreとsnapsを採用することで、開発者は最新のCI/CDやDevSecOpsのアプローチをもって、従来のOT環境のエッジデバイスにアプリケーションを提供できるようになります。
Bosch RexrothのctrlX COREプロダクトオーナーであるDr. Holger Schnabel氏は、次のように述べています。「Ubuntu Coreのサポートを得て、ctrlX AUTOMATIONはオープンで、モジュール化されたセキュアな方法で自動化とIoTの環境を統合し、将来性を確保した革新的な自動化プラットフォームを構築できます。」
Ubuntu Coreは、厳格なアプリケーション制限によってセキュリティを強化します。ctrlX AUTOMATIONアプリは、隔離性を高めるためにSnapですべての依存関係と合わせて実行されます。snapsでパッケージ化されたソフトウェアファイルは変更できないため、セキュリティの脆弱性のリスクは最小限に抑えられます。アプリを展開する機械メーカーは、デバイスのライフサイクル全体を通して、エンジニアによる作業の必要性なしに、セキュリティ修正プログラムやパッチの自動更新できるというメリットを得られます。また、Ubuntu Coreとsnapsによって、最後に動作したバージョンにソフトウェア更新プログラムをロールバックして、工場の稼働時間や信頼性を向上させることができます。
CanonicalのIoTデバイスフィールドエンジニアリング部門のグローバルディレクターであるLoïc Minier(ロイック・ミニエ)は、次のように述べています。「Bosch Rexrothはオープンソースのアプローチを産業オートメーションに採り入れて、機械メーカーが拡張性のあるカスタマイズ可能なプラットフォームを構築することを可能にします。ctrlX AUTOMATIONは、ユーザーが機能を拡張したり独自のアプリを実装したりできるソフトウェア主導のアプローチを提供します。ctrlX AUTOMATIONが提供する高度なインタフェースとUbuntu Coreのオープン性と柔軟性が組み合わさることで、産業オートメーションにおけるイノベーションの新たな時代を開きます。」
開発者は、C、C++、Python、JavaScript、Goなど、好きなプログラミング言語でアプリを作成して、snapsとして配布できます。従来は、IEC 61131や、業界設定のGコードのような、専門家向けのプログラミング言語に限定されていました。Ubuntu Coreとsnapsによって、ctrlX AUTOMATIONプラットフォームを使用する開発者は、従来のプログラミング言語と最新の言語を自由に選んで使用できるようになります。
※このプレスリリースは、2020年2月19日に英国・ロンドンで配信されたプレスリリースの抄訳です。
<以上>
Canonicalについて
Canonicalは「Ubuntu」を提供する企業です。Ubuntuは、ほとんどのパブリッククラウドのワークロードに使われているOSであり、スマートゲートウェイ、自動運転車、高度なロボットなどの最先端分野でも使用されています。Canonicalは、Ubuntuの商用ユーザ向けにエンタープライズセキュリティ、サポート、サービスを提供しています。Canonicalは2004年に設立された非公開企業です。
詳細は以下のウェブサイトからご覧いただけます。
Rexrothについて
Bosch Rexrothは駆動・制御技術における世界的なリーディングサプライヤーであり、さまざまな規模の機械やシステムの効率的で強力かつ安全な動作を可能にします。同社は、モバイルアプリケーション、機械向けアプリケーションとエンジニアリング、ファクトリーオートメーションの市場区分においてグローバルでの経験を有しています。Bosch Rexrothのインテリジェントなコンポーネント、カスタマイズされたシステムソリューション、サービスによって、完全にコネクテッドなアプリケーションに必要な環境を生み出します。Bosch Rexrothは、IoT向けソフトウェアおよびインタフェースを始めとして、油圧製品、電気駆動・制御テクノロジー、ギヤテクノロジー、リニアモーションテクノロジー、アセンブリーテクノロジを顧客に提供しています。世界80以上の国に拠点を持ち、32,300人を超える従業員を有しています。2018年の収益は約62億ユーロでした。詳細については、 www.boschrexroth.com をご覧ください。
ニュースレターのサインアップ
関連記事
Firefighting Supportを発表
新しいサービスでCanonicalの専門家が高度なクラウドサポートを提供 Canonicalのマネージドソリューションチームは、自社でインフラストラクチャの管理を行い、トラブルシューティングの必要があるときのみ専門家の対応を求める組織のために、新しいサービス「Firefighting Support」を発表しました。 Firefighting Supportでは、フルマネージドサービスを止めた、または厳しいセキュリティ規制によってサードパーティーに環境へのアクセスを許可できないお客様に対して、マネージドサービスレベルのサポートを提供します。このサービスはノードごとの年間料金で提供され、次のような内容です。 自己管理インフラストラクチャへの移行に理想的 現在の市場では、マネ […]
Linuxにセキュリティパッチを適用する頻度は?
セキュアな環境を維持するには定期的なパッチの適用が不可欠ですが、Linux環境を安全に保つための方法は環境によって異なります。運用の安定性を考えて、どのぐらいの更新頻度が妥当でしょうか? 最も制限が多く、規制が厳しい環境でも、準拠が保証され安全な方法で、セキュリティパッチの適用を自動化できる方針が存在します。セキュリティパッチの適用方針を定義するときは、Canonicalでのソフトウェア更新のリリーススケジュールを理解し、セキュリティパッチの適用の時間枠を知っておくことが不可欠です。私は最近、ライブのウェビナーとセキュリティの質疑応答を主催し、パッチ適用の回数を最小化するとともに、パッチが適用されていない脆弱性が悪用される回数も最小化する方法について解説しました。この記事 […]
リアルタイムLinuxに関するCTO向けガイド
リアルタイムシステムおよびそのユースケースと仕組みを理解する 最近の予測によると、2025年には世界のデータの30%近くがリアルタイム処理を必要とします。制御システム、産業用エッジサーバー、PLC、ロボット、ドローンなどを駆動する産業用PCとリアルタイム機能への需要は高まる一方です。ワークロードによって必要なリアルタイムパフォーマンスやサイクルタイムは異なりますが、リアルタイムコンピューティングは今後もますます普及するというのがアナリストの見解です。 また、ソフトウェアがハードウェアデバイスや周辺機器を綿密にサポートすることで、Linuxカーネルを介したリアルタイムコンピューティングが活躍しています。カーネルにリアルタイム機能を持たせる多くのアプローチの中で、PREEMP […]