Canonical、Landscape 24.04 LTSを公開

by Canonical on 1 July 2024

12年間のサポートに対応するLandscape 24.04 LTSでは、新しいシステム管理ウェブポータル/APIにsnapおよびリポジトリ管理機能を追加しました。

新しいLandscape Dashboardのスクリーンショット

Canonicalは本日、Landscapeの最初のLTSリリースを発表しました。Landscape 24.04 LTSにはバージョン管理されたAPI、アクセシビリティとパフォーマンスに配慮した新しいウェブポータル、直感的なソフトウェア配信管理機能が搭載されています。Landscape 24.04 LTSは、Landscape ServerとLandscape Clientで構成されます。モダナイズされたバックエンドとウェブポータルが搭載されているため、エンジニアリングチームは効率的に作業を行い、パッチや新機能に集中できます。

リリーススケジュールが予測可能、LTSバージョンには12年間のサポート

Landscapeのリリースは、Canonicalの信頼性への注力を前提とし、さらにUbuntuのLTSや中間リリースと同期することで、セキュリティのカバー、機能パッチ、バグ修正が予測可能です。

Landscape Server 22.04は、Ubuntu 22.04 LTSと、Ubuntu Proを含むUbuntu 24.04 LTSリリースにインストールできます。Landscape Server 24.04は前4つのUbuntu LTSリリース(Ubuntu 16.04 LTSとそれ以降)に互換で、Ubuntu 26.04 LTSを含む将来のUbuntuリリースも管理します。

Ubuntu 24.04 LTSと同様に、このLandscapeリリースにも12年間のセキュリティメンテナンスとサポートがあります。Landscape 24.04 LTSは、2029年8月まで5年間にわたって、バグ修正と増分的な機能パッチを受けられます。Ubuntu Proの利用者はこの5年間の経過後もLegacy Supportアドオンにより、合計12年間までLandscape 24.04 LTSを使い続けられます。

CanonicalのVanilla Frameworkで構築された新しいウェブポータル

Vanilla Frameworkにより、Canonicalのすべての製品が一貫して統一されたデザインパターンになります。Landscapeも、MAASやLXD UIなどと同様に、React JSにより駆動される反応性のよいユーザーインターフェイスを使用しています。このウェブポータルは、JSONデータを処理する、新しいバージョン管理されたAPIを使用して構築されています。このAPI拡張機能により、開発者向けのシームレスな統合が保証され、特定のバージョンのAPIで開発されたアプリケーションは、Landscapeや、それに付属するAPIエンドポイントが将来更新されても堅牢で高い信頼性が維持されるという、将来に向けた保証が得られます。

従来のLandscapeウェブポータルのモニタリング機能は、まだLandscape 24.04 LTSに移行されていません。モニタリング機能は、現代的なチャート作成ライブラリ、モニタリングAPI、付属ドキュメントとともに、Landscape 24.04 LTSの増分パッチとして配布されます。

最後に、ウェブポータルはアクセシビリティのLighthouseスコアが大きく改善されています。Lighthouseで測定されたダッシュボードのアクセシビリティスコアは、70%から95%に上昇しました。Landscape 24.04 LTSのウェブポータルは、色弱、色盲、そのほかの視力障害を持つユーザーにも対応しています。

特定時点のリポジトリのスナップショットによりテラバイト単位のストレージと帯域幅を節約

新しいLandscapeウェブポータルのリポジトリ管理エクスペリエンスの概観。

Landscapeの新しいウェブポータルには、直感的なポイントアンドクリックによるリポジトリのミラーリング機能が含まれているほか、リポジトリをミラーリングするときのソースとして、リポジトリのスナップショットサービスを使用できます。Canonicalは2023年後半に、Linuxプロバイダとしては初めて、リポジトリのスナップショットサービスをMicrosoft Azureの更新メカニズムと統合しました。Landscape Server 22.04 LTSでは、この単純で安全な展開機能をオンプレミスや、混在およびハイブリッドのクラウド環境で使用できるようになりました。

Landscapeのリポジトリのスナップショットサービスを使用すると、更新が予測可能、いくつもの展開のあいだで整合性を保証、リポジトリのミラーリングが簡単になるなどの利点があり、Ubuntuワークロードの復元性やセキュリティが向上します。

システム管理者の利便だけではなく、リポジトリのスナップショットを実装することで、リポジトリの完全なミラーリングを毎週行っている組織では、100テラバイト以上のディスク容量とネットワークのスループットを節約できます。Canonicalのオンデマンドのリポジトリスナップショット機能は、2023年2月からESM(Expanded Security Maintenance)以外のリポジトリに拡大されました。このイノベーションにより、ミラーリングのスケジュールと、これらのミラーのアーカイブが不要になるため、ストレージとネットワークのリソースが解放されます。

UbuntuとUbuntu Coreのsnap管理

Landscape 22.04 LTSは、Ubuntuの中間リリースとLTSリリースを管理する以外に、Canonicalのsnapベースで改変不可、厳格に隔離されたオペレーティングシステムであるUbuntu Coreも管理します。厳格に隔離されたLandscape Clientのsnapパッケージにより、最新のLandscape Clientをsnapパッケージとして使用すると、snapパッケージの管理、リモートでのスクリプト実行、Ubuntuのモニタリングおよびインベントリ機能を使用できます。

snap管理機能はLandscape Client Debianパッケージにも搭載されています。これはUbuntu 24.04 LTSのメインリポジトリに含まれており、Ubuntuの以前のバージョン向けのものはppa:landscape/self-hosted-24.04にあります。

更新されたsnapのリビジョンの配布は、Snap Storeによりコントロールされます。組織はこのSnap Storeをスナップストアのプロキシとしてホストできるほか、組織内で独自に非公開のsnapを配布する必要があるときはブランドストアとしても、自社でホストできます。Landscape 24.04 LTSでのsnap管理は、Snap Store、スナップストアのプロキシ、およびブランドストアから更新を追加、削除、更新、一時停止できます。

Landscapeは従来から、aptパッケージマネージャによりインストールされたDebianパッケージの細かい管理を行ってきました。Landscape 24.04 LTSには、snapパッケージについて同様な管理機能があり、リビジョン、およびsnapエコシステムに固有のものであるチャネルが考慮されます。snapパッケージは、デフォルトではトランザクション的なOver-the-Air更新によって自動更新され、アップグレードが失敗したときは自動的にロールバックできます。コンピュータ間で統一性が必要な組織や個人は、snapの特定のリビジョンをコンピュータに固定し、構成の統一が必要なコンピュータ間で整合性を保証できます。

次の段階

Canonicalについて

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