データセンターをクラウド化– VMwareインフラストラクチャを変革するためのガイド

by Canonical on 30 July 2024

何が起きているのかはご存じでしょう。VMwareを取り巻く状況を1年以上前からご覧のはずです。あらゆる変化に備えておかなければならないと覚悟する必要はありません。みなさんも、みなさんのチームも、すでに準備ができています。予算、時間、必要なリソースもあります。ひとつ欠けているのは「どのように?」です。

過去vs未来

この20年間で、企業が自社のIT資産を運用する方法は大きく変わっています。従来の方法でデータセンターを運用していた多くの組織は、リソースの消費と機動性を向上させるためにワークロードを完全に仮想化することを決断しました。このときに登場したのが、VMwareとその包括的なvSphereスイートです。VMwareは企業グレードのプラットフォームを提供し、顧客のニーズに対応することにより、仮想化市場における支配的なプレーヤーとしての地位を急速に確立しました。

止められない技術的連続性

しかし、このような初期の輝かしい成功から20年経ち、VMwareを使用しているお客様は、今後どうすればよいのかという難問に直面しています。相応の代替策を求めて他のプロプライエタリの仮想化ソリューションを選択するケースも多く見られます。しかし、そのようなソリューションは簡単に実現できるように見えても、将来的には組織が現在直面している問題とまったく同じ状況をもたらす可能性があります。それはベンダーロックインや総所有コスト(TCO)の上昇などの問題です。こうした理由から、VMwareに限らず、過去にとどまることは一般的には次善策です。

このような最初の仮想化の波の後にやってくる次の大きなものがクラウドコンピューティングのパラダイムであることは間違いありません。Gartner社によれば、2025年にはクラウドインフラストラクチャへの総投資が組織のIT予算の50%に迫ります。しかし、パブリッククラウドしか使用しない場合、現在とまったく同じ問題に直面する可能性があります。幸いなことに、オンプレミスで機能を完備したクラウドインフラストラクチャを構築する方法があります。

データセンターをクラウド化

オープンソースのクラウドプラットフォームの主流であるOpenStackについて聞いたことがあると思います。実際には、その他のいくつかの候補も検討する必要があります。例としてCanonical MicroCloudで考えてみましょう。VMwareからの移行で検討している選択肢がどのようなものであっても、通常、組織はクラウドがvSphereスイートとまったく同じように動作することを期待します。

これは罠です!

クラウドにも長所と短所があります。どのようなクラウド環境であっても、基盤となるアーキテクチャや動作の原理はVMwareのテクノロジースタックとは若干異なります。その違いは、クラウドコンピューティングのパラダイムは純粋な仮想化とは若干異なる課題を解決するために考え出されたという事実によるものです。

では、クラウドはVMwareに取って代わることはできないのでしょうか?

そんなことはありません!クラウドへの移行は刺激的です。VMwareの機能の大半はオープンソースの分野に同等のものがありますが、場合によっては、ワークロードのアーキテクチャに対する変更も必要になる可能性があります。それらの変更はどの程度重要であり、投資全体に見合う価値が本当にあるのでしょうか?ワークロードをクラウド対応にする方法について、説明を続けます。

ワークロードをクラウド化

「クラウドネイティブ」が何であるかは誰もが知っていますが、「クラウド対応」はどうでしょうか?一歩離れて見てみましょう。クラウドネイティブが長期的に目指すべきものであることは間違いありません。ただし、移行の最初の波では、クラウド対応であれば十分です。

課題は、VMwareのワークロードの一部がレガシーの「ペット」になっていることです。それらのワークロードは過去に設計されて以来、一度も見直されていません。通常、それらはvSphere HAやFault ToleranceなどのVMwareのネイティブ機能に依存しています。そのようなワークロードがクラウド上でまったく同じように動作することはあまり期待できません。しかし、不可能ではありません。

Canonicalのインフラストラクチャスタック

理想としては、ワークロードをクラウドに移行する前に、ワークロードがクラウド対応になっている必要があります。つまり、以下の基準を満たすことが望まれます。

  • オンデマンドのプロビジョニングと終了
  • イメージから起動してプロビジョニング時にカスタマイズ
  • 不揮発性ストレージで状態を保存するように設計
  • スケールアップではなく、スケールアウトの設計
  • ソフトウェアに実装されているか、ネイティブクラウド機能がベースになっているHAメカニズム
  • ネイティブクラウド機能またはサードパーティツールがベースになっているDRメカニズム
  • LBaaSなどの他のネイティブクラウド機能を使用するための設計

最も効果的で実績のある方法は、段階的に繰り返して移行する方法です。最初にクラウドを構築してそこにワークロードを移行することで、すぐに目的を達成できます。実際に、多くのお客様がこの初期の移行期間中に両方の環境を並行して運用しています。Sicrediを例として示します。

SicrediがCanonical OpenStackでクラウドをどのように活用しているか知る >

要約すると、クラウドへの移行は簡単なタスクではなく、一夜にして実現できるものではありません。しかし、適切な計画と遂行によって、目に見える利点がもたらされ、遠い将来まで組織に力を与えるでしょう。

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