リアルタイムLinuxに関するCTO向けガイド
by Canonical on 10 September 2024
リアルタイムシステムおよびそのユースケースと仕組みを理解する
最近の予測によると、2025年には世界のデータの30%近くがリアルタイム処理を必要とします。制御システム、産業用エッジサーバー、PLC、ロボット、ドローンなどを駆動する産業用PCとリアルタイム機能への需要は高まる一方です。ワークロードによって必要なリアルタイムパフォーマンスやサイクルタイムは異なりますが、リアルタイムコンピューティングは今後もますます普及するというのがアナリストの見解です。
また、ソフトウェアがハードウェアデバイスや周辺機器を綿密にサポートすることで、Linuxカーネルを介したリアルタイムコンピューティングが活躍しています。カーネルにリアルタイム機能を持たせる多くのアプローチの中で、PREEMPT_RTパッチは、優先度のスケジューラーとその他の補助的なリアルタイムメカニズムの実装を目的としています。PREEMPT_RTは、Linuxのリアルタイム実装の事実上の標準であり、既存のカーネルコードの変更によって予測可能性を高め、レイテンシを低減します。
リアルタイムLinuxは、制限時間内に確実に応答することでミッションクリティカルなレイテンシ要件にも対応可能で、産業、通信、自動車、航空宇宙、防衛など、最も要求の厳しいワークロードに確定的な処理を提供することを目指しています。このガイドでは、PREEMPT_RTを適用したリアルタイムLinuxについて詳しく説明しており、導入に伴う考慮事項、一般的な誤解、主要な市場用途、ユースケースなどを取り上げています。
リアルタイムLinuxは優先度の高いプロセスを最初に実行するため、レイテンシを重視するユースケースには理想的ですが、リアルタイムカーネルだけでシステムがリアルタイムになるとは限りません。このガイドでは、完全なリアルタイムスタックを紹介するほか、たとえばリアルタイムLinuxカーネルと低レイテンシLinuxカーネルのいずれかを選択する際に考慮すべきパフォーマンスのトレードオフに重点を置いて説明します。
ダウンロード: https://jp.ubuntu.com/engage/cto-guide-real-time-kernel-jp
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