組み込みLinux:YoctoとUbuntu Coreの比較

by Canonical on 6 June 2023

小型フォームファクタのコンピューティングという新しい波には各企業が注目しており、これを活用すべく、エッジコンピューティングへと舵を切り始めています。そのため、世界各国のデバイスメーカーが開発にしのぎを削っているのがインダストリー4.0の可能性を実現する組み込み型コネクテッドデバイスですが、その多くは、データ主導のバリューチェーン最適化や予測型のメンテナンス、新しいデジタルカスタマーエクスペリエンスの実現を目指したものです。

しかし、現場で使用するデバイスを常に最新の状態に保つためには、専任のカーネルエンジニアリングチームにフルタイムで業務にあたってもらう必要があります。また、デバイスメーカーがデプロイ戦略を選定する際は、独自の組み込みLinuxディストリビューションを展開するのか、商用サポートされているOSを利用するのか決定しなければなりません。

YoctoとUbuntu Coreの比較: ダウンロード

どの組み込みLinuxのディストリビューションを選択すべきか

当社の最新のホワイトペーパーでは、YoctoとUbuntu Coreを詳細に評価しています。取り上げている内容は、以下のとおりです。

組み込みLinuxシステムは、さまざまな形態で利用されています。それぞれ用途によってまったく異なるものであり、ほぼすべての技術分野に広がっています。このガイドは、組み込みLinuxの中でも代表的な2つの選択肢といえるYoctoとUbuntu Coreを取り上げ、どちらを選ぶべきか評価できるように構成されています。

安価なボードとネットワーク接続の普及によって組み込みシステムの導入が促進されており、社会のほぼすべての分野に影響を及ぼしています。本書では、まず組み込みLinuxとは何なのかについて説明します。次に第1章では、組み込みLinuxが受け入れられた理由と、組み込みLinuxを活用する分野で活躍する各企業が直面する喫緊の課題について理解を深めていただきます。

第2章ではYocto Projectの詳細な評価を行い、その歴史やアーキテクチャ構成、内部動作について詳しく見ていきます。迅速な評価やプロトタイピング、概念実証(POC)の作成を目的としてYoctoを選択する開発者も多いのですが、組み込みLinuxを大規模に実運用している企業には、Yoctoのようなコミュニティが管理するビルドシステムでは対応しきれない要件もあるのが実情です。そこで第2章では、Yoctoの価値提案を明確に示すとともに、その欠点の評価も行います。

第3章では、組み込みデバイスに対応した企業グレードのUbuntuであるUbuntu Coreを紹介します。Ubuntu Coreは標準Ubuntuのバリアントです。ここでは、Ubuntu DesktopやUbuntu Serverとどのように異なるのか、そして組み込みデバイスのエコシステム向けにどのようにカスタマイズされているのかを説明します。

最後に第4章では、それまでの考察と分析をまとめて最終的な評価を行います。

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