小規模プライベートクラウドインフラストラクチャのためのOpenStackとSunbeam

by Canonical on 1 February 2024

小規模のプライベートクラウドインフラストラクチャを導入する際、多くの組織が深刻な問題に直面します。知識不足や移行のほか、Kubernetesなどのさまざまな拡張機能をすぐ実行するよう経営陣に求められるため、導入プロセスが複雑に感じられることも少なくありません。この複雑性を克服する最も簡単な方法は、プロのサービスにプロジェクトを任せることですが、そのコストが中小企業には高すぎる場合があります。

幸い、現在はすべての課題に自力で対処する方法があります。この短いブログでは、Sunbeamプロジェクトを使用し、経験やコストのかかるコンサルティングなしに小規模プライベートクラウドをスムーズに導入する方法を紹介します。

はじめに

はじめに、このブログ記事で使用するいくつかの用語を簡単に説明しておきましょう。

Sunbeamとは

Sunbeamは、OpenInfra Foundation(OIF)の監督下にあるアップストリームプロジェクトで、OpenStackの導入を容易にして自律的なプライベートクラウドの基盤を確立します。Sunbeamは、クラウドネイティブのアーキテクチャと全体的なボトムアップの自動化により、初めてのユーザーがOpenStackに親しみ、プラットフォームを理解するのを助けます。

MicroStackとは

MicroStack(Sunbeamベース)は、小規模のクラウド環境向けに設計されたOpenStackディストリビューションです。MicroStackにはCanonicalの総合的な商用サポートがありますが、自社だけでもスムーズに導入でき、有料のコンサルティング契約はほぼ不要です。現時点のMicroStackには主要なOpenStackサービスしか含まれませんが、まもなくCanonicalのCharmed OpenStackと同じフル機能が装備される予定です。

小規模プライベートクラウドインフラストラクチャのためのOpenStack

OpenStackは複雑だと思われがちです。それは間違いではありません。OpenStackの過度の複雑性はよく知られています。しかし、適切なツールを利用すれば誰でも有効に使いこなせます。過去にOpenStackやLinuxを使用した経験がない人でもです。

OpenStackの基礎知識

従来、OpenStackを使い始めるのは難題でした。インストールするまでの多くの手順と設計上の決定は、初心者にとって高い壁でした。今ではSunbeamプロジェクトのおかげでそのようなことはありません。

Sunbeamを使用すれば、ユーザーは5つの簡単な手順でOpenStackをインストールできます。プロセス全体の所要時間は1時間以内で、それが終われば、クラウドが完全に機能します。もちろん、実運用グレードのマルチノードクラスターを起動するにはもう少し作業が必要です。とはいえ、そのプロセスは本質的にほぼ同じです。

重要なのは、とにかく試してみることです。OpenStackは見た目ほど難しくありません。私はこのブログ記事を書くときに、自分のノートPCで実行しました。

OpenStackダッシュボード

移行の実施

クラウドを起動したらワークロードとデータの移行を始めましょう。SunbeamベースのOpenStackのインストールは、小規模なVMware vSphereインフラストラクチャ、Proxmox Virtualization Environment(VE)、Hyper-V、Citrix Hypervisorの合理的な代替手段です。

多くの人々が考えているよりも簡単かもしれません。仮想マシン(VM)を1つのプラットフォームから別のプラットフォームに移行するには、最初にそのディスクイメージをエクスポートします。具体的な手順はプラットフォームによって異なりますが、通常は手順が適切に文書化されています。

次に、エクスポートしたイメージをQCOW2フォーマット(OpenStackで使用されるイメージフォーマット)に変換します。VMwareでエクスポートしたVMDKイメージをQCOW2フォーマットに変換するには、以下のようにqemu-imgツールを使用します。

qemu-img convert -f vmdk -O qcow2 my_vmware_image.vmdk my_openstack_image.qcow2

QCOW2イメージは、さらにOpenStack Glanceサービスにインポートしたり、OpenStack NovaサービスによってVMとして起動したりできます。

さらに高度なシナリオでダウンタイムを許容できない場合、専用の「サービスとしての移行」ツールも検討できます。そのようなツール例がCloudbase SolutionsのCoriolisです。

クラウドインフラストラクチャ上でのK8sの実行

最新のクラウドプラットフォームは、Kubernetesレイヤーを実行しなければ汎用性を発揮しません。これも、Sunbeamプロジェクトで十分に対応できます。OpenStack Magnumサービスとその組み込みプラグインアーキテクチャを使用すれば、オプションのK8s-on-demand機能を簡単に有効化できます。

Container-as-a-Service(CaaS)プラグインマルチノードのSunbeamベースのクラウド上で有効化するには、次のコマンドを実行します。

sunbeam enable caas

これにより、Magnumコンポーネントがインストールされ、APIの使用を開始できます。次に、K8sクラスターテンプレートを作成するために、OpenStackクライアントを使用します。

openstack coe cluster template create k8s-cluster-template-ovn \
   --image fedora-coreos-38 \
   --keypair sunbeam \
   --external-network external-network \
   --flavor m1.small \
   --docker-volume-size 15 \
   --master-lb-enabled \
   --labels octavia_provider=ovn \
   --labels octavia_lb_algorithm=SOURCE_IP_PORT \
   --network-driver flannel \
   --coe kubernetes

今後は1つのコマンドによってオンデマンドでK8sクラスターを作成できます。

openstack coe cluster create \
   --cluster-template k8s-cluster-template-ovn \
   --node-count 1 \
   --timeout 60 \
   sunbeam-k8s-ovn

最新の手順については、必ず公式ドキュメンテーションをご覧ください。

結び

Sunbeamプロジェクトがあれば、OpenStackで小規模のプライベートクラウドインフラストラクチャを実装できます。参入障壁が下がり、実運用グレードのOpenStackクラスターも手軽にインストールできます。K8s-on-demandなどの標準的なクラウド機能も、ほぼ1回のクリックでネイティブに利用できます。すべてのユーザーが経験に関係なくプラットフォームにアクセスし、あらゆる規模の組織がOpenStackの利点を活用できるようになります。

Sunbeamの詳細

Sunbeamプロジェクトと各用途での使い方を基本的に理解したところで、もっと詳しい情報が欲しくなるかもしれません。そのような場合のために、いくつかの興味深いフォローアップ資料を用意しました。

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