Ubuntu 22.04 LTS – 世界で最も広く使用されているLinuxデスクトップの新機能

by jiashiuan on 4 May 2022

原典:https://ubuntu.com/blog/ubuntu-22-04-lts-whats-new-linux-desktop

Ubuntu 22.04 LTSでは、Ubuntu Desktopの人気機能すべてがさらに拡充されています。機能とカスタマイズオプションが増え、パフォーマンスと電力効率が向上し、御社の既存のエンタープライズ管理ツールとより多くの方法で統合可能となりました。5年間の更新とセキュリテイパッチを含むLTSコミットメントも併せ、この最新バージョンのLinux Desktopは、2022年以降、開発者やクリエイターに必要なものすべてを提供します。

過去2年間にわたって当社のFocal Fossaを使用してきたお客様にとって、この最新リリースは重大なアップグレードになります。また、中間リリースのGroovy Gorilla、Hirsute Hippo、Impish Indriから当社製品を使用しているお客様でも、Jammy Jellyfishによって多くの新機能を使用できます。

いくつかの主な機能を紹介します。

GNOME 42

Jammy Jellyfishは、シェルおよびほとんどのライブラリについて、GNOME 40からGNOME 42に一気にアップグレードしています。ユーザーインターフェイスがシンプルになり、画面上の通知が小さくなるほか、水平方向の迅速なワークスペース移行(および対応するタッチパッドのジェスチャー)、マルチモニターのサポート改善など、メリットは豊富です。

優秀な新しいスクリーンショットツールもあります(このブログのため、すべての機能をテストしました)。

この投稿の後半でGNOMEに追加された他の機能をいくつか紹介しますが、Ubuntu 20.04とUbuntu 22.04のUIの違いについては、OMG! Ubuntu!の仲間が最も注目すべき更新内容を紹介してくれています。

新しいカスタマイズオプション

UbuntuのYaruテーマはどんどん進化しています。Jammy Jellyfishには新しいアクセント色選択ツールがあり、デスクトップのカスタマイズをさらに充実させています。コミュニティの壁紙コンテストには優秀な応募作が多かったため、最終候補に選ばれた作品をすべてLTSリリースに含めることにしました。ダークテーマとライトテーマで別の壁紙の設定も可能となり、これらの壁紙を存分に活用できます。

Linuxデスクトップのパフォーマンスと能力の強化

このリリースで、Linuxデスクトップのパフォーマンスが大幅にアップグレードされました。GNOMEがトリプルバッファリングに取り組んだおかげで、IntelおよびRaspberry Piのグラフィックドライバーはデスクトップのナビゲーションで最高2倍のフレームレートを達成しました。また、AMDとNVIDIAのグラフィックカードを使用するときも大幅に性能が向上し、NVIDIA GPUのランタイム電力管理も改良されました。現在は、ほとんどのシステムでWaylandがデフォルトのディスプレイドライバーですが、NVIDIA GPUを使用するシステムではX11がデフォルトのままです。

またGNOME 42では新しい電力プロファイルオプションが追加されており、パフォーマンスと消費電力のどちらを優先するかを設定画面で選ぶことができます。

最後に、Raspberry Piユーザーは多少の追加機能があります。zswapがデフォルトで有効になり、圧縮アルゴリズムにいくつかの調整が加えられたことで、ローエンドのRaspberry Pi 4 2GBモデルでも安定したデスクトップ環境を実現できるようになりました。これにより、4GBと8GBのバージョンでもパフォーマンスが改善されます。

Raspberry PiでUbuntuを試す >

Active Directory統合の拡大

エンタープライズユーザー向けのUbuntuデスクトップもアップグレードされ、既存のID管理ソリューションと統合する拡張機能が追加されました。

Active Directory統合は、Microsoft Active Directoryのグループポリシーを使用するポリシーベースの管理機能と、ユーザーがSSSDを使用して認証する機能とともに、Ubuntu 20.04 LTSで導入されました。22.04では、Active Directory統合の次のレベルとして、完全なインストーラーの統合と、完全なグループポリシーのサポート、権限の格上げ、リモートスクリプトの実行を可能にするADsysが追加されました。

新しいホワイトペーパーを読む >

Ubuntu Advantageの詳細を読む >

Ubuntu WSLが22.04 LTSにアップグレード

Windowsを使用しているデスクトップ開発者への対応も行われました。Ubuntu 22.04 LTSはWindows Subsystem for Linuxでも利用できます。今すぐ、Microsoftストアから直接ダウンロードできます。既存のUbuntu WSLアプリを使用しているユーザーは、22.04.1が利用可能になったとき、アップグレードを求められます。

Ubuntu WSLは、Linuxアプリケーションの開発と実行に対応し、Windowsと緊密に統合した完全なUbuntu環境です。クラウド、ウェブ、データサイエンスに最適化されており、快適に使用できます。

新しいカーネルと更新されたツールチェーンに加えて、Ubuntu WSLにはすぐに使用できる新しいセットアップ機能があり、Windowsのユーザー情報を引き継いでスムーズにセットアップできます。

Ubuntu WSLの詳細を確認する >

最新のアプリ、ツールチェーン、その他の新機能

以前のリリースと同様に、Ubuntuにはこれらの主な機能の他にも、数多くの調整や更新が行われています。

PulseAudioには、Bluetoothヘッドセット用に多くの改良が加えられており、より広範なデバイスをサポートし、バッテリーレベルの報告機能も追加されました。

LibreOffice、Thunderbird、Firefoxがすべて最新バージョンに更新されました。さらにFirefoxはMozillaにより公開され、Snapとして配布されるようになりました。

また、開発者はPython、Ruby、Perl、Go、PHP、そして新たにRustのツールチェーンにアクセス可能になりました。RustはUbuntu 22.04 LTSで新たに追加されたもので、メモリの安全を確保したシステムレベルのプログラミングをサポートします。

リリースノートの全文を読む >

今すぐ使い始めましょう

ベテランのユーザーでも、Linuxデスクトップを使い始めたばかりでも、Ubuntu 22.04 LTSのすべての新機能をぜひお試しください。

Ubuntuデスクトップをダウンロードする >

公式プレスリリースを読む >

これまでのリリースと同様、親切なUbuntuユーザーのグローバルコミュニティがアドバイスとサポートを提供します。

Ubuntu Discourse >

Ask Ubuntu >

ニュースレターのサインアップ

Ubuntuニュースレターの配信登録

お客様が購読登録を行われる場合、以下の条件に同意されたことになります。Canonicalのプライバシーに関するお知らせ個人情報保護ポリシー

関連記事

VMwareからOpenStackへ

独自のオープンソースクラウドでTCOを40%削減 クラウドコンピューティングは、今では企業のIT資産の中心です。Gartner社によれば、2025年にはクラウドインフラストラクチャへの総投資が50%に迫ります。IT資産が成長し、複雑化するにつれ、総所有コスト(TCO)も増大し、企業にとってはインフラストラクチャの経費の最適化が継続的な問題となりました。 昔からプロプライエタリ(オープンソースではない)ソリューションを使用してきた企業にとっては特にそうです。プロプライエタリソリューションは、ライセンスコストが高いだけでなく、サービスの相互依存性や長期契約の義務によって企業を縛ることがよくあります(ロックイン)。これらの欠点から、BroadcomがVMwareを買収した後、さ […]

エッジAI

オープンソースで何を、なぜ、どのように実現するか エッジAIがデバイスとデータセンターの関係を大きく変える中、組織には常に最新のイノベーションの導入が求められます。AI搭載のヘルスケア機器から自動運転車まで、エッジデバイス上のAI(人工知能)はさまざまな分野で活躍します。これを踏まえて今回のブログ記事では、エッジAIプロジェクトを開始する際の検討事項、利点、課題、オープンソースの役割について考察します。 エッジAIとは エッジにおけるAI、またはエッジAIとは、人工知能とエッジコンピューティングの組み合わせを指します。エッジAIの目的は、接続されたエッジデバイス上で機械学習モデルを実行することです。これにより、デバイスは常にクラウドに接続してデータを処理しなくても、スマー […]

知っておくべき5つのエッジコンピューティング

展開の速いテクノロジーの世界では、イノベーションが時代の先を行く鍵です。企業が効率、スピード、リアルタイムのデータ処理を追求するにつれ、エッジコンピューティングへの関心が高まっています。 エッジコンピューティングは、データの処理と分析におけるパラダイムシフトにほかなりません。データ処理を遠隔地のデータセンターに集中化する従来のクラウドコンピューティングとは異なり、エッジコンピューティングでは処理能力をデータソースの近くに配置します。これによりレイテンシが低減されるだけでなく、幅広い業界に多くの可能性が生まれます。 今回のブログ記事では、この最先端テクノロジーの例を多様な用途や事例でご紹介します。とりわけCanonicalのMicroCloudがどう時代の変化に対応するかに […]


© 2024 Canonical Ltd. Ubuntu および Canonical は、Canonical Ltd の登録商標です。