VMwareからオープンソースへ:何を検討すべき?
by Canonical on 28 December 2022
前回のブログ「VMwareに代わる選択肢:オープンソース」では、VMwareに代わるものとして、なぜオープンソースのインフラストラクチャを検討すべきかを説明しました。ウェビナーでもこのトピックを扱ったところ、視聴者から多くの質問をいただき、さらに議論を深める必要性を感じています。ここでは、VMwareからUbuntuベースのオープンソースインフラストラクチャに移行する際の最も重要な検討事項をご紹介します。
自分の環境に最適な選択肢は?
VMwareベースのインフラストラクチャを運用している方は、おそらくさまざまなVMware製品をお使いでしょう。VMwareには、最も一般的なvSphereのほかにも幅広いツールがあり、ストレージ、ネットワーキング、オーケストレーション、オートメーションなど多くのニーズに対応します。
したがってVMwareの代わりに何を使うかは、具体的な用途と環境に大きく依存します。
- 環境の規模は? 将来はどの程度の規模になりますか?
- ストレージやネットワーキングに関してどんな選択肢が必要ですか?
- どんな種類のワークロードを実行しますか?
- どのようなエンドポイントを使用し、どのような外部ツールを統合する必要がありますか?
適切なソリューションを設計するには、これらをはじめ、多くの点を検討することが重要です。
Canonicalは、幅広いインフラストラクチャ製品を組み合わせ、具体的なニーズに合った完全なソリューションをご提案します。類似の代替製品として1つのソリューションを推奨することは難しく、誤解の元でもあります。
中規模または大規模の完全なプライベートクラウドをお求めなら、Openstack solutionが適切かもしれません。仮想化レイヤーが必要な場合は、LXDまたは小規模な環境に適したLXDベースのマイクロクラウドをおすすめします。クラウドネイティブのワークロードを実行する場合はKubernetesが良いでしょう。ストレージが必要ならCharmed Cephソリューションが適しています。どんな場合でも同じソリューションで良いわけではありません。
具体的な用途や環境に最適なソリューションについては、Canonicalのチームがご相談を承ります。単なるリフト&シフトでも、移行の前に変更を加える必要がある場合でも、Canonicalの専門家が適切なソリューションの選択と移行の計画をお手伝いします。
一部のVMware製品は専用ハードウェアを必要とします。これについて、移行の観点からご説明しましょう。
既存のハードウェアを再利用できますか?
ハードウェアについて言えば、Ubuntuベースのインフラストラクチャに変更する場合、Ubuntu認定のハードウェアならほぼ再利用が可能です。つまり、Canonicalが定期的にテストをし、Ubuntuとクラウド/仮想化製品の両方をシームレスに実行してクラウド環境を構築できるとわかっているハードウェアです。
しかし、既存ハードウェアが未来のインフラストラクチャの要件を満たさない場合もあります。たいていの場合、Canonicalは、ソリューションの拡張性も考慮に入れ、どのソリューションにどのハードウェアを使用すれば最も価格性能比が高くなるかをご提案します。ご相談はお問い合わせフォームからお申し込みください。
シームレスな移行を実現するには?
移行のプロセスやツールは、移行先のプラットフォームの種類だけでなく、実行するワークロードにも大きく依存します。Canonicalの一部の製品には、LXD移行ツールやOpenStack Novaライブ移行機能など、独自の移行ツールや機能があります。場合により、Cloudbaseなど、移行サービスを提供するパートナーと協力することもよくあります。
1つのプラットフォームから別のプラットフォームへの移行はリフト&シフトのように簡単に実行することもできますが、移行を機にワークロードを更新し、維持費の高いレガシーシステムを未来に引きずらないようにする手もあります。両方の手順に関心をお持ちの方は、最近公開されたホワイトペーパーをご覧ください。
オープンソースのバックアップソリューションについて
Canonicalはクラウドインフラストラクチャ向けの自社バックアップソリューションを提供していません。インフラストラクチャ製品に対応するネイティブのオープンソースのバックアップソリューションや独自のソリューションはいくつかあります。Canonicalとしては、大手ISVと協力し、Canonicalのインフラストラクチャに対応するインテグレーションを提供しています。オープンソースにこだわるか、オープンソースの上に上質の市販ソリューションを使用するかは、完全にお客様次第です。
SLAとサポートマトリックスについて
CanonicalはUbuntu Proを通じてサポートを提供しています。詳細と料金体系はサポートページをご覧ください。
今後の展望
今後、Canonicalはこれらのトピックを掘り下げ、具体的な移行のシナリオについても検討します。記事やウェビナーにぜひご期待ください。
VMwareに代わるものを積極的にお探しの方はお問い合わせください。専門家がお客様の具体的なニーズや環境について聞き、移行に必要なものやオープンソースベースのインフラストラクチャの導入についてご案内します。
ニュースレターのサインアップ
関連記事
ハイブリッドクラウドの導入
パブリッククラウドは前例のないスピードでデジタルトランスフォーメーション を実現しました。しかし、拡張性に対するニーズが増えると、その長期的な運用 コストは厳しいものになります。ハイブリッドクラウドは、運用面の支出の抑制 や厳密な管理を可能にするプライベートインフラストラクチャと、簡単に拡張で きるパブリッククラウドという2つの環境の両方からメリットを得るための代替策 として浮かび上がりました。 ハイブリッドクラウドアーキテクチャの採用を検討している組織や企業は、プライベートクラウドベンダーの選択肢や、アプリケーションの設計と開発に対する影響、ワークロードの調整、長期メンテナンスについて慎重に考える必要があります。このガイドは、十分な情報を得た上で意思決定を行おうとしてい […]
OpenStackを簡単に
OpenStackは依然として世界最先端のオープンソースのクラウドプラットフォームであり、その導入は毎年増え続けています[1]。2022年11月に発表された年次OpenStackユーザー調査の最新結果によると、調査対象となった300を超える実運用環境において、OpenStackは4,000万を超えるコアに採用されています[2]。もちろん、世界中で実行されているその他の何千ものデプロイは調査対象として記録されていません。 人気の秘密は、OpenStackが業界のあらゆる規模の組織にもたらす優れた経済的利点です。オープンソースプロジェクトであるOpenStackは、VMware、Citrix、Proxmoxファミリーなどの独自規格の仮想化ソリューションと比較して大幅なコスト削 […]
Canonical、Sunbeam プロジェクトで商用 OpenStack を小規模クラウド環境向けに公開
Canonicalは本日、新しいSunbeamプロジェクトで商用のOpenStack製品を小規模なクラウド環境向けに公開すると発表しました。Sunbeamは100%オープンソースで無料のプロジェクトです。現在、自社でデプロイを完了された方には、総合的なセキュリティ対策と商用サポートを含むUbuntu Pro + サポートサブスクリプションにもお申し込みいただけます。これにより高額のプロフェッショナルサービス契約なしでプロプライエタリのソリューションからOpenStackに乗り換え、レガシーの小規模なIT環境を最新の状態に移行できます。 CanonicalのプロジェクトマネージャーであるTytus Kurekは次のように述べています。「従来、商用のOpenStackプラット […]