CanonicalがUbuntu 14.04 LTS以降の長期サポートを12年間に延長
by Canonical on 16 April 2024
Canonicalは本日、Ubuntu ProアドオンとしてLegacy Supportの一般提供を発表しました。これによりUbuntu LTSリリースのセキュリティ更新とサポート期間が12年間に延長されます。アドオンの対象はUbuntu 14.04 LTS以降です。
長期サポートのUbuntuリリースには、mainリポジトリに対する5年間のセキュリティメンテナンスが標準で付属します。Ubuntu Proは、mainリポジトリとuniverseリポジトリの両方に10年間のメンテナンスを提供し、企業にもエンドユーザーにも安全なオープンソースソフトウェアを幅広く提供します。このサブスクリプションは電話およびチケットによるサポートも含みます。Ubuntu Proの有償契約者のお客様は、新しいLegacy Supportアドオンにより、2年間のセキュリティメンテナンスとサポートを追加できます。
Canonicalのサポートエンジニアリング担当グローバルバイスプレジデントであるMaximilian Morganは次のように述べています。「Ubuntu LTSリリースのセキュリティメンテナンスとサポートを延長できてうれしく思います。Canonicalは20年にわたるオープンソースにおける卓越性を活用して、世界中のお客様に専門家によるセキュリティメンテナンスとサポートを提供しています。Legacy Supportによって、さまざまな組織が自信を持って運用におけるニーズとオープンソースへの投資に対応し、システムの可用性、安全性、サポートを今後何年にもわたって確保できるようにサポートいたします。」
理想的な安定性と安心感
最新のオペレーティングシステム(OS)の運用によって新しい機能とパフォーマンスの向上が提供されるため、新規のデプロイに適しています。ただし、大規模の安定した実運用システムの場合は、OS上で実行されているソフトウェアスタック全体の更新が必要となる可能性があるため、新しいOSバージョンへの移行には課題が生じます。コンテナ化、マイクロサービス、広範なデータ管理機能、サードパーティのAPIとの統合が組み込まれている最新のソフトウェアアーキテクチャでは、このような複雑さがさらに増大します。
これらの多面的な課題を考慮すると、システムの運用、セキュリティ、サポートを確保し続けることは最も重要です。移行戦略の計画や実行と同時に安心感と安定性を求めている組織は、Canonicalに信頼を寄せることができます。
12年間の速やかなセキュリティ修正とサポート
セキュリティメンテナンスは、システムをプロアクティブに保護する継続的なプロセスの一部です。定期的な脆弱性スキャン、評価、パッチ管理がこのプロセスに含まれます。Ubuntu Proにより、Canonicalは、Ubuntuに同梱されているすべてのソフトウェアパッケージについて「critical(危険)」、「high(高い)」、「medium(中間)」のCVE(Common Vulnerabilities and Exposures:一般的な脆弱性と露出)に対する継続的な脆弱性管理を提供します。Canonicalのセキュリティチームは、サポートされているすべてのUbuntu LTSリリースにこれらの重要な修正を積極的にバックポートし、大きなアップグレードを必要とせずにシステムの安全性を維持できるという安心感を企業やエンドユーザーに提供します。
サポートとは、インシデントが発生した場合や複雑な問題に対処するために追加的な専門知識が必要になった場合にユーザーが要求するサービスです。オープンソースの専門知識を用いて事業継続戦略を強化したいと考えているお客様は、トラブルシューティング、障害対応、バグ修正、ガイダンスに関するCanonicalのサポートを利用できます。
Ubuntu 14.04 LTS「Trusty Tahr」と今後のLTSリリースで利用可能
Ubuntu ProによるUbuntu 14.04 LTSの保証は2024年4月に終了となります。Legacy Supportを使用すれば、Ubuntu 14.04 LTS上でシステムを運用している組織は、セキュリティメンテナンスと電話およびチケットによるサポートをさらに2年間利用できます。その結果、ITマネージャーは次期LTSの詳細なアップグレード計画を準備できます。また、ソフトウェアアーキテクトはCanonicalのチームが提供するサポートを利用することによって、アプリケーションレベルに集中できます。
Ubuntu ProとLegacy Supportアドオンの詳細は、https://ubuntu.com/pro、https://ubuntu.com/supportをご覧になるか、Canonicalにお問い合わせください。
ニュースレターのサインアップ
関連記事
Everything LTS – Canonicalの12年間サポートのDistroless Dockerイメージ
「Everything LTS」 – Canonicalは、お客様の仕様に合わせたdistroless Dockerイメージを構築します。このイメージには、Ubuntuパッケージに含まれていないアップストリームコンポーネントが含まれ、重要なCVE(Common Vulnerabilities and Exposures、一般的な脆弱性と露出)は24時間以内に修正され、RHEL、Ubuntu、VMware、またはパブリッククラウドのK8sで12年以上にわたりサポートされます。 Canonicalは本日、自社のLTSサービスをUbuntuの「deb」パッケージ以外にも拡大し、新しいdistroless Docketイメージの設計/構築サービスを開始しました。このサービスには、 […]
Dell Technologies Forum TokyoにCanonicalが出展
Dell Technologies Forum TokyoにCanonicalが出展!10月3日にお会いしましょう Canonicalは、10月3日に東京で開催されるDell Technologies Forumに出展することを大変楽しみにしています。この業界をリードするイベントでは、デジタルの未来を形作る最新の技術について、業界リーダーやテクノロジー愛好者が一堂に会します。 【開催概要】■ 日時: 2024年10月3日(木) 10:00 – 18:40■ 会場: グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール■ 事前登録サイト(英語): Dell Technologies Forum 登録ページ■ 参加費: 無料(事前登録制) 最新ソリューションを体感 Canonical […]
リアルタイムLinuxに関するCTO向けガイド
リアルタイムシステムおよびそのユースケースと仕組みを理解する 最近の予測によると、2025年には世界のデータの30%近くがリアルタイム処理を必要とします。制御システム、産業用エッジサーバー、PLC、ロボット、ドローンなどを駆動する産業用PCとリアルタイム機能への需要は高まる一方です。ワークロードによって必要なリアルタイムパフォーマンスやサイクルタイムは異なりますが、リアルタイムコンピューティングは今後もますます普及するというのがアナリストの見解です。 また、ソフトウェアがハードウェアデバイスや周辺機器を綿密にサポートすることで、Linuxカーネルを介したリアルタイムコンピューティングが活躍しています。カーネルにリアルタイム機能を持たせる多くのアプローチの中で、PREEMP […]