Ubuntu 21.04を公開
by Canonical on 28 April 2021
2021年4月22日:Canonicalは本日、Ubuntu 21.04をリリースし、Microsoft Active Directoryとのネイティブ統合、Waylandグラフィックスのデフォルト化、Flutterアプリケーション開発SDKの搭載を発表しました。また別に、CanonicalとMicrosoftはUbuntu上でのMicrosoft SQL Serverのパフォーマンス最適化と共同サポートを公表しました。
Canonicalの最高経営責任者(CEO)であるMark Shuttleworthは、次のように述べています。「UbuntuとActive Directorとのネイティブ統合と、Microsoft SQL Serverの認定は、企業顧客にとって最優先事項です。また、Ubuntu 21.04は開発者およびイノベーター向けにWaylandとFlutterを搭載し、滑らかなグラフィックスと、すっきり美しいデザイン主導のクロスプラットフォーム開発環境を提供します。」
Ubuntuは企業向けエンジニアリングプラットフォームとして、デスクトップからパブリッククラウドやマイクロサービスまで広く使用されており、金融、自動車、技術、政府部門の広範な企業で採用されています。
French Gendarmerie Nationale(フランス国家憲兵隊)のStéphane Dumond中佐は、次のように述べています。「Canonicalのデスクトップソリューションは費用対効果が高く、大規模でも管理が簡単で、企業システムと簡単に統合できます。隊に所属する10万人の警官にとって、Ubuntuは使いやすく、信頼性が高く、サードパーティのソリューションを使用しなくても必要なプライバシーとセキュリティが得られます。Ubuntuは、隊の目的に最適のオペレーティングシステムです。」
Ubuntu上のMicrosoft SQL Serverが最適化された費用対効果の高いデータベースプラットフォームを実現
このリリースで行われたエンタープライズのパフォーマンスとスケーラビリティの改良は、Microsoft SQL ServerをサポートするためUbuntu 20.04.2 LTSにも遡って適用されています。DBMS(データベース管理システム)とそのCLI(コマンドラインインターフェイス)はAzureにおいて最適化されたUbuntuイメージで利用できるようになり、本番グレードで可用性の高いデータベースプラットフォームとして、10年間のセキュリティ保守を受けられます。
CanonicalとMicrosoftは、オンプレミスまたはAzure Marketplace経由で展開されるMicrosoft SQL ServerとUbuntuに対して、ミッションクリティカルな作業向けの統合サポートを行います。
この共同ソリューションでは、FUA(Force Unit Access)や、XFSファイルシステムによるデータの耐久性などのパフォーマンス強化も行われています。PMEM(永続メモリ)により、追加構成なしに高パフォーマンスのデータストレージを利用できます。最後に、CorosyncとPacemakerの使用により、プラットフォーム全体が高可用性で、復元性が保証されます。
Active Directory:システム管理者とLinux開発者との結合
Ubuntuコンピューターは、インストール時にAD(Active Directory)ドメインに参加し、一括構成に対応します。AD管理者は新たにUbuntuワークステーションを管理できるようになり、企業ポリシーの遵守が簡素化されます。
Ubuntu 21.04では、ADドメインコントローラーからシステム設定を構成する機能が追加されました。グループポリシークライアントを使用することで、システム管理者は接続されているすべてのクライアントについて、パスワードのポリシーやユーザーアクセス制御などのセキュリティポリシー、およびログイン画面、背景、お気に入りアプリなどデスクトップの環境設定を指定できます。
FlutterとWayland:グラフィックスがさらに滑らかに
Ubuntu 21.04は、Waylandをデフォルトで使用することでセキュリティを大きく強化しました。ElectronとFlutterを使用して構築したFirefox、OBS Studio、その他多くのアプリケーションが自動的にWaylandを使用するため、グラフィックスが滑らかになり、分数スケーリングも改善されます。
Flutter SDKのスナップビルド統合により、マルチプラットフォームのFlutterアプリを簡単に公開でき、クリック1つで数百万のLinuxデスクトップユーザーがインストールできます。
FlutterのプロダクトマネージャーであるChris Sells氏は、次のように述べています。「CanonicalはFlutterに多大な貢献を行っており、その貢献によってFlutterでのLinuxデスクトップサポートが可能となり、Linuxで高品質のFlutterアプリが実現可能になりました。当社は、どのプラットフォーム向けのアプリ開発者の間でもFlutterが最良の選択肢となるよう、今後もパートナーシップを継続していきます。」
新しいダークテーマによるユーザー環境の刷新
21.04では、新しいデザインのダークテーマ「Yaru」のほか、ナビゲーションのアクセシビリティ改良や新しいファイルアイコンが追加されました。Yaruは、Canonicalが支援するコミュニティで保守されています。
Ubuntu 21.04のダウンロードはこちら。
今回のリリースを記念し、明日、Indabaを主催します。どうぞご参加ください。
Ubuntu Server 21.04の新機能の詳細については、2021年5月26日のウェビナーでもご紹介します。
<以上>
Canonicalは「Ubuntu」を提供する企業です。Ubuntuは、ほとんどのパブリッククラウドのワークロードに使われているオープンソースのオペレーティングシステムであり、インテリジェントゲートウェイ、自動運転車、高度なロボットなどの最先端分野でも使用されています。Canonicalは、Ubuntuの商用ユーザー向けにエンタープライズセキュリティ、サポートおよびサービスを提供しています。Canonicalは2004年に設立された非公開企業です。
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